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注文の約95%をWeb受注に|卸売業の受注DXを始める3ステップ

読了目安:約6分

注文の約95%をWeb受注に|卸売業の受注DXを始める3ステップ

週末にFAXが何十枚も届き、品番や在庫を調べて販売管理へ手入力する。電話では色・サイズ・数量の聞き直しが発生し、繁忙期は本来別の仕事をする社員まで受注対応に入る。商品数の多い卸売業では、受注そのものが大きな負担になりがちです。

今回は、中小機構が2026年3月25日に公開した、沖縄県の土産品卸売業のDX事例を紹介します。同社は約4,000点の商品を約600社へ卸しており、Web受発注の導入後、注文の約95%がWeb経由になりました。さらに、残るFAX・メール・手書き帳票にはAI-OCRを組み合わせ、段階的に受注業務を整えています。

掲載事例では、コロナ禍で落ち込んだ売上が3倍に回復し、スタッフ1人あたりの労働生産性は7倍、残業時間は88%削減されたと報告されています。ただし、これらは同社が複数の改善を継続した結果であり、特定のツールだけによる効果や、他社で同じ成果が出ることを保証するものではありません。

目次CONTENTS

公的事例:朝から午後まで続く受注作業を見直す

中小機構の事例によると、同社ではFAXと電話による注文が中心で、週末にはFAXが数十枚、多い時には100枚近く届いていました。手書きの発注書には、色・柄・サイズが不足していることもあり、その都度取引先へ確認。品番や倉庫の棚番号を調べ、在庫を確認し、伝票へ入力していました。

繁忙期は、デザイナーや経理を含む社員が朝9時から午後2時頃まで受注作業に対応し、数量や品番の入力ミスも発生していました。

そこで、商工会と専門家の支援を受け、複数の受発注システムを比較。自社の卸価格や運用に合うBtoB向けWeb受発注を導入しました。注文の約95%がWeb経由となり、取引先が商品を選んで注文するため、入力・在庫確認・品番確認の負担が軽くなりました。

残る紙は、AI-OCRと目視確認で扱う

Web受注へ移行しても、独自の発注方法を持つ取引先や、手書きの棚卸表・売上報告書などの例外は残ります。同社は、これらをAI-OCRで読み取り、販売管理へ連携する仕組みを導入しました。

事例では、AI-OCRの読み取り精度はおおむね95%とされています。重要なのは、100%自動と考えず、誤りがある部分を人が確認・修正する運用を残したことです。「Web化できる注文」と「紙で残る例外」を分けたため、全取引先へ一律の変更を求めずに進められました。

学べること:最初から完全自動化を目指さない

この事例から学べるのは、紙を一度にゼロにするのではなく、件数の多い標準注文からWebへ移し、例外を別の方法で処理した点です。また、社内だけで製品を選ばず、外部のIT専門家と月1〜2回の打ち合わせを続け、課題に応じて改善を重ねています。

ここからは、事例企業の導入手順をそのまま再現するものではなく、Aidechが小規模な卸売業向けに整理した3ステップです。

1.注文経路と作業時間を数える

まず2週間、FAX・電話・メール・Webごとの注文件数を記録します。あわせて、内容確認、品番検索、在庫確認、入力、取引先への折り返しに何分かかったかを測ります。

「紙が多い」という印象だけで進めず、件数が多く、形式が揃いやすい注文から対象を絞ります。入力ミス、聞き直し、欠品連絡の回数も残すと、改善前後を比較しやすくなります。

2.協力を得やすい取引先1社から試す

最初から全取引先を切り替えるのではなく、注文頻度が高く、相談しやすい1社と試します。商品検索、価格表示、数量入力、欠品時の連絡、注文確認までを一緒に確認します。

取引先側の操作が増えると定着しません。初回は担当者が画面を見せながら案内し、スマートフォンでも迷わず注文できるか確かめます。Web化できない取引先の受付方法も残しておきます。

3.例外処理と確認責任を決める

手書き帳票をAI-OCRで読み取る場合も、誤認識は起こり得ます。品番、数量、単価、納期など、出荷や請求に影響する項目を誰が確認するか決めます。

「読み取り精度95%」は、100件の注文がそのまま正しく処理されるという意味ではありません。帳票の種類、文字、印刷状態、項目数によって結果は変わります。まずは過去帳票で試し、修正にかかる時間が手入力より短いかを確認します。

導入前に確認したい費用と連携

月額利用料だけでなく、商品マスタの整備、取引先ごとの価格設定、販売管理・在庫管理との連携、操作支援、保守に費用がかかる場合があります。既存データの重複や表記揺れが多いと、導入前の整理に時間が必要です。

補助金を利用する場合は、採択前の契約・発注が対象外になることがあります。最新の公募要領、対象経費、支払時期を公式情報で確認し、補助金がなくても継続できる運用費かを判断してください。

今日の一歩:注文経路を1日だけ記録する

今日受けた注文を「FAX・電話・メール・Web」に分け、処理にかかった時間を記録してみてください。最も件数が多い経路と、最も手間がかかる経路が同じとは限りません。数字が見えれば、Web化する範囲と、人が残す対応を考えやすくなります。

Aidech Managementでは、現在の受注フローを整理し、既存の取引先との関係を保ちながら進める小さなDXをご支援します。製品が決まっていない段階でも、まずは無料相談で業務の流れをお聞かせください。

無料相談:https://aidech-management.com/contact.php

出典

独立行政法人 中小企業基盤整備機構「ここからアプリ」
「IT専門家との伴走で売上3倍へ。4,000点の土産品を扱う卸売業が挑んだDXの全貌」
公開日:2026年3月25日/確認日:2026年10月29日
https://digiwith.smrj.go.jp/cocoapp/case/ryukyuworks.html

※記事内では企業名・製品名を出さず、「沖縄県の土産品卸売業」「Web受発注」「AI-OCR」と表記しています。
※画像は説明用のイメージであり、実在の企業・人物・商品・システムを再現したものではありません。

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